イギリスの映画集めてみました
新井 潤美

不機嫌なメアリー・ポピンズ―イギリス小説と映画から読む「階級」

不機嫌なメアリー・ポピンズ―イギリス小説と映画から読む「階級」

不機嫌なメアリー・ポピンズ―イギリス小説と映画から読む「階級」

人気ランキング : 41736位
定価 : ¥ 798
販売元 : 平凡社
発売日 : 2005-05
価格 : ¥ 798
納期 : 通常2〜3日以内に発送
階級を超えて

「メアリー・ポピンズ」は愛読書でもあり、ディズニー映画でも大いに楽しんだので、本書を購入した。これは、メアリー・ポピンズだけではなく、イギリスの小説・映画から、イギリスの階級意識を探った労作である。「高慢と偏見」が「ブリジット・ジョーンズの日記」に繋がるという発見もあった。ただ、本書に出てくる小説・映画を読み・見た時に、特別階級意識を感じたことはなかった。むしろ、階級意識を超えたところに、これら作品の素晴らしさがあると思う。

iconoclast

もう30数年前の私の経験から言っても、本書の中でも言及されているenid blytonのsecret seven シリーズは、英語ながらも、子供心に、それなりに楽しんで読むことができました。でも、メアリーポピンズだけは別でした。読もうとして、何度も読み始めるのですが、そのたびにつまずきました。面白くないのです、というよりも語られる出来事の現実感が感じられなかったのです。私のような経験を持つ人には、遅まきながら、やっとその解決のヒントが与えられたようです。この作品は、日本では、さまざまな思惑の下で、一面的な”誤読”が定着した英国の小説ならびに映画についての、素直でまっとうな常識的な理解の基礎を与えてくれます。でも、とうとう最後の”とどめ”の英国本が出てしまったわけです。この本を読んだ人は、もはや”英国はおいしい”の幸せな憧れの目で、英国の文学作品や映画を見ることはできなくなります。誤解に満ちたにせよ、あの幸せな時期はもう二度と戻らないわけです。代わりに、読者が直面するのは、”たった一言口をあけた瞬間にその人の出身階級とお里がわかってしまう”という特異な国、英国の姿です。この世界の異様さは、ある一部の日本人は、個人的な経験から、とうに気がついていたはずです。ただ、さまざまな営業上の理由でしょうか、それとも精神安定上の理由でしょうか、それともその問題の難しさ(日本人の誰がテレビ番組のeastendersの英語を的確に理解できるでしょうか)だれもがまともには扱うことは避けていたようです。著者のように、子供のときから、インサイダーとして、この異様な世界に、直接触れることのできた人間だけが、このような整理と分析ができるわけです。どの章も、非常に面白いです。

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